最新の地下水年代の推定研究(論文)が公開されました

熊本地域で実施した地下水年代の推定研究が公開されました
Journal of Hydrology: Regional Studiesという論文で公開されています。
※年代推定の詳しい仕組みや方法については、こちらのページをご参照ください

熊本地域のような都市域では、CFCs法やSF6法の適用が困難でありましたが、本研究で用いた85Kr法は、このような都市域においてもその短所を見事に解決し、地下水の年代(滞留時間)を高い精度で推定することに成功しました。
また、飲用水源として100%地下水に依存している熊本地域は、地域全体で地下水を保全するために、行政区域を超えた保全施策を実施するなど、国内外からその施策が注目されている地域です。例えばこちら
地下水の保全施策を考える際、「施策の効果がいつ顕在化するのか?」や、「汚染がどのくらいの時間で影響を及ぼすのか?」など、これまでは水循環における「時間軸」は不正確でした。本研究では、85Kr法により、どの地域でも年代推定が可能となるため、地域の水循環スピードを踏まえた施策の策定に大いに貢献できる成果になりました。

2017年05月31日